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コラム

社長のための会社にお金を残す節税戦略 【第10回】会社と社長の資産を一体で考える– 法人×個人最適化の思考法

第10回|会社と社長の資産を一体で考える – 法人×個人最適化の思考法

〜「法人の成功」と「社長の豊かさ」は別物ではない〜

 

「法人は法人、個人は個人」と分けて考える経営者は少なくありませんが、それではどちらも最適化されません。

法人と個人は相互に影響し合う存在であり、一体で設計してこそキャッシュの最大化が可能になります。

法人の利益が社長個人の豊かさにつながり、承継・資産移転もスムーズにするための「法人と個人を一体で最適化する」という新しい資金戦略の考え方を今回はお伝えします。

 

目次

前回「【第9回】“未来逆算”の資金設計ー10年後から今を決める」の内容はこちらから見れます

  1. はじめに:「法人は法人、個人は個人」という分断思考
  2. 法人と個人を分けて考えると起きる3つの問題
  3. 法人と個人を「一体で設計する」ことの3つのメリット
  4. 法人×個人最適化の3ステップ
  5. よくある誤解:「法人の利益は会社に残しておけばいい」
  6. おわりに:「会社と社長の人生は一体である」

はじめに:「法人は法人、個人は個人」という分断思考

 

多くの中小企業の社長は、資産やお金のことを考えるときに、「法人は法人」「個人は個人」と分けて考えています。
・法人の利益や節税は税理士に任せている
・個人の資産形成は保険会社や銀行で相談している
・退職後の生活資金は個人年金や不動産で考える

一見すると合理的なように見えますが、ここに大きな落とし穴があります。
それは、法人と個人を別々に考えている限り、どちらも最適化されないということです。

法人と個人は本来、完全に切り離せるものではありません。
経営者にとって「法人の資金」と「個人の資産」は人生の両輪であり、相互に影響し合うものです。

 

法人と個人を分けて考えると起きる3つの問題

 

「法人と個人は別」という前提で経営していると、次のような問題が起こります。

法人の利益は増えても、社長個人が豊かにならない

毎年黒字で内部留保も増えているのに、社長個人の資産はほとんど増えていない――。
こうした会社は少なくありません。法人の利益がきちんと社長の資産設計につながっていないため、会社が成長しても社長自身は豊かにならないのです。

個人の資産戦略が、法人の財務戦略と噛み合わない

法人で保険や退職金の準備をしている一方で、個人では別の金融商品を買っている。
このように法人と個人がバラバラに動くと、資金効率が悪くなり、重複やムダが発生します。

承継・相続時に思わぬ税負担が発生する

法人と個人を別々に管理していると、いざ事業承継や相続の段階で、税負担や資産移転が複雑化します。
一体で設計していれば防げたはずの問題が、思わぬ形で表面化するのです。

 

法人と個人を「一体で設計する」ことの3つのメリット

 

こうした課題を根本から解決するのが、「法人と個人を一体で考える」という発想です。
これができると、経営はまったく違うレベルに進化します。

税金とキャッシュの“全体最適”ができる

法人税・所得税・相続税をそれぞれ別々に対策するのではなく、「全体でどうキャッシュを残すか」という設計が可能になります。
結果として、トータルで手元に残るお金を最大化できます。

資産形成のスピードが大きく上がる

法人の利益と個人の資産形成を連動させることで、資金の流れがスムーズになり、積み上がるスピードが速くなります。
「会社は潤っているが社長は苦しい」という状況から脱却できます。

承継・相続対策が“自然と整っていく”

法人から個人への資金移転や、自社株対策が長期的な戦略の中で行えるようになります。
結果、承継時の税負担や手続きが大幅に軽減され、次の世代へのバトンタッチもスムーズになります。

 

法人×個人最適化の3ステップ

 

では、具体的にどうやって法人と個人を一体で設計していけばよいのか。
基本となるのは、次の3ステップです。

ステップ① 「法人→個人」のお金の流れを見える化する

まずは、法人から個人へどのようにお金が流れているかを整理します。
・役員報酬
・退職金
・保険の解約返戻金
・配当
・資産移転のタイミング

この「お金の流れの地図」を描くことが、すべての出発点です。

ステップ② トータルキャッシュを最大化する設計を考える

法人税・所得税・相続税の3つを“別々”ではなく、“合算”で見ることが重要です。
一体で設計すると、例えば役員報酬を増やすより退職金原資を積み上げた方が有利、などの判断が明確になります。

ここで大切なのは、「税金を減らす」ことではなく、「会社と社長の両方にお金を残す」ことです。

ステップ③ “出口”から逆算して法人と個人を連動させる

将来的な事業承継や相続、引退時期などを踏まえて、「いつ・どのタイミングで・どの手段で」資金を移転するかを逆算します。
こうすることで、法人と個人がバラバラに動くことがなくなり、資金戦略が一本の線になります。

 

よくある誤解:「法人の利益は会社に残しておけばいい」

 

多くの社長が、「会社にお金が残っていれば安心」と考えていますが、これは半分正解で半分誤りです。
なぜなら、会社にしかお金がない状態は、社長の人生戦略としては非常にリスクが高いからです。

たとえば、社長が病気や事故で急に引退することになったとき、法人内の資金をどう個人に移転するかが明確でなければ、残された家族が困ることになります。
「会社にお金がある=社長が豊か」とは限らないのです。

 

おわりに:「会社と社長の人生は一体である」

 

会社の資金戦略と社長の人生設計は、切り離して考えることはできません。
法人が成長しても、社長の資産が増えなければ、その経営は半分しか成功していないとも言えます。

法人と個人を一体で設計する――それは、会社の未来と社長の人生を同時に豊かにするということです。

次回は、この「法人×個人一体設計」を踏まえて、「社長が引退までに準備すべき“出口戦略」について詳しく解説します。
未来から逆算して今から動くことで、会社も人生も大きく変わります。


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